凧で船を牽引する風力推進システム『SkySails』
SkySailsシステム
SkySailsは外洋において最も経済的なエネルギー源である風力を有効利用した風力推進システムです。従来の推進システムと比較して5倍の推進力が実現可能な巨大な凧で船を牽引します。SkySailsシステム適用中の航海は船の傾きが小さいのが特徴です。風の条件が整っていることが前提ですが、同システムをメインに航海することや、速度を上げるために一定の力を保った主エンジンと平行して利用することができます。
風力の利用は石油よりも安価であるため年間の燃料コストを10~35%削減することができ、最良の条件下においては燃料消費量を最大50%低減することが可能です。新旧問わず、ほとんどの貨物船と全長30m以上の漁船やスーパーヨットに同システムを組み込むことができるという利点もあります。
fig1. (C)SkySails GmbH & Co. KG
SkySailsの構造
SkySailsシステムは主に3つの要素で構成されています。
fig2. (C)SkySails GmbH & Co. KG
船に接続した凧(towing kite with rope)
パラグライダーのキャノピー(翼)に似た形の大きな凧を船の推進に利用しています。凧は高強度、防水の素材で作られており、空気力学的な効率を意識したデザインです。炭素繊維製のロープで船と接続しています。船ごとにカスタマイズされたエネルギー伝達システムを介して凧から船に牽引力を送る仕組みです。
fig3. (C)SkySails GmbH & Co. KG
fig4. (C)SkySails GmbH & Co. KG
凧発射回収システム(launch and recovery system)
凧の展開などは船首楼に設置した発射回収システムが対処します。展開、回収は全自動で行われ、所要時間は10~20分程度です。
fig5. (C)SkySails GmbH & Co. KG
制御システム(control system)
制御システムの役割はSkySailsシステムを自動的に操作することです。各種センサーを利用してデータを収集し自動操縦ソフトウェアで処理をしているという点において飛行機の自動操縦に似ています。船上に搭載したコンピューターがSkySailsシステムを管理し、情報収集とコマンドの送信をします。パラグライダーにおけるパイロット的な役割を果たすコントロールポッドに搭載されたコンピューターが船上コンピューターから送信された信号の処理、モーター制御、データ通信、バックアップを行っています。
fig6. (C)SkySails GmbH & Co. KG
その他
安全に関しては必要に応じて凧の相対位置を調整して牽引力を下げることができるほか、凧を安定させるために、ウインチ(巻き揚げ機)が凧のつながったロープを風の強さに応じて自動的に伸ばしたり、縮めたりする機能などがあります。
気象学者の意見を取り入れている経路システムを導入すればスケジュールを考慮したうえで費用対効果の最も高いルートで航海をすることも可能です。
fig7. (C)SkySails GmbH & Co. KG